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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「どんな用事があるのでございます。」

堀は、それには答えないで、れいの、しきりに手をさしのべて、指折りかぞえていた。何をかぞえるのか、かれは、ひまさえあれば蒼白い指さきを折って、口のうちで、ぶつぶつ言いながら日暦を繰るようにしていた。おあいは、それが五本ずつ九度折って、あと四本だけを折るのを毎日のように眺めた。やはりあの四十九日間に何事か起ったに異いないと思っても、やはり解らなかった。たしかに彼の女がかかわっているのだ。それだけの見当で、それ以上おあいにも堀にもわからなかった。

おあいは、そういうときに、れいの櫛のことを話した。櫛を拾ったことがあるかとたずねても、やはり頭を振っていた。

「櫛。ふむ。」堀は、口へ出して言って考え込んだが、表情はべつに乱れもしなかった。おあいには、しまいには何が何だか分らなくなっていた。

夜になると、堀は庭へ吠える真似をしてたが昼のうちはあまり発作がなかった。ただ毎朝のように、れいの、内儀がやって来た。そのたびに堀は裏門を出てゆくことがあった。或る日、それも朝のうちだったが。やはり庭にいる筈が突然いなくなった。いつもくる内儀がもう何時の間にか来て行ってしまったあとなのか、姿も見せなかった。