Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
綺倆は決して悪くはない。ただ余りに鮮やかに白すぎる顔面に、あまりに生きのいい黒ずんだ目が翳されていることで、なおよく見れば決して黒目が黒目ではなく、むしろ茶褐な瞳孔で、その奥の方に水の上に走るまいまい虫のような瞳が据っていることが、なお彼女をえたいの分らない女としていた。そこまで彼女を見究めるなれば、遂にその皮膚のこまか過ぎる点や、産毛の異常に繁毛しているのや、白すぎる色あいや、ところどころにどうかすると痣のような影をもっていること(しかしそれは彼女の顔を側面から見たりするときに、ふいに痣のようなものを見るが、気をつけると決してそれがあざではないようである。)などが、かれにとっては益益おかしな疑いをもたすのである。それは果して彼女が日本人であるかないかという疑問で、ひょっとすると、外国人の種子をもっていはすまいかということである。
と言っても彼女は決して雑種児としての条件的相貌の全部をもっていないのである。日本語の巧みなことや、髪の毛のやや黒いこと(しかしそれは日光などの当っているときに見ると、殆ど茶いろに近いのだ。)ことに彼女の母親であるといわれている馬道の裏二階に住んでいる老婆が純日本人であることなどを取り併せると、雑種児ではないようにも思えるのである。