Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
片側はしもた屋になり、片側から軒燈が漏れていて、蒼白い彼女の皮膚をいよいよ冴えた蒼白さに射かえして、くっきりと夜のくらみを劃った上に、むしろ重く空中に浮いてみえたのである。
「わたしを呼んだのは君かね。いま何か言って呼んだのは――。」
かれはそう言いながら、彼女の黒ずんだ目をみつめた。それは瞬きもせずに、むしろ猫のようなあやしい光をたたえていた。何か言おうとしながら、手に風呂敷包みをもったまま、むしろぼんやりとした視線をかれにそそいでいた。
「たしかにわたしを呼んだのは君だとおもうが……。」
かれは又そう言いながら「しかし間違いかも知れない。あの女がわたしを呼ぶわけがない。」しかしかれは殆ど奇声にも近い声をきいたことは実際である。
「いえ。わたしではございませんわ。わたしは……。」
彼女はそのとき不審そうにかれを見つめた。かの女にはこういう他人から呼び止められた経験に乏しいらしかったのであろう。その顔いろはいくらか慌てていた。かれは初めて蒼白い皮膚がその表情の雑多に富んでいるということを見て取った。
「そうですか。どうか構わないで行って下さい。べつに用事がないんですから。