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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

寒かった。それは殆ど痛みをかんじるほど寒かった。

しばらくすると彼女らは慌しく階段から下りる音がした。それをきいた時かれは初めて安らかな心持になった。何もできはしない。しかしかれはかれの内部にうずいているものを恐れていた。五六分は過ぎた。しかしそのときかれは突然に金網の方へ走って見た。「おれはこういう風に走ってみるがいや決して投身するのではない。そういうおれは馬鹿ではない。唯こうして走ってみるだけだ。」と自分を制しながら、金網の破れたところを引ッ掻いていたのである。張りつめた金網はふしぎな金属性の音響を立てて、きみわるくドアの内側にまでひびいた。そのとき初めてそこにいた番人をかれは目にいれたのであった。その老人は静かに出てくると、かれの冷たい手をおさえた。

「そういう乱暴をなすってはいけません。それを破いてはいけない。」と、凡ての老人がもつ皺枯れた声で言って、かれの上から下をじろじろ眺めた。かれは殆ど機械的にぼんやり見返すと、

「乱暴とは……。」と、なに気なく言ったのである。老人は狎れたように微笑って、そっと近よると、

「だいぶ永くそこにいらっしゃるじゃありませんか。