Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
男は何気なくふと女の眼を見ると、すぐ驚いた。それはあまりに劇しい凝視と、気でも狂れたひとのような怪しい光とをもっていたからである。そのとき、女は立って鉋屑をつめこんだ俵のなかを指さした。
「あのなかに這入っていないでしょうか。わたしにはそう思えるんでございますが……。」
「俵のなかにかね。」
「ええ。」
「まさか――こうっと、さっき鉋屑をつめこんで……と……何か堅いものが手にあたらなかったかしら……。」
男は考えこんでしばらくすると、びっくりしてすぐ俵のそばへ寄った。
「あ。たしかに木屑と一しょにつめ込んだのだ。」
そう言って男は鉋屑をつかみ出した。と、一挺の白い刃のついた鑿が木屑と一しょにまぎれ込んでいるのを発見けたのであった。
「危ないところだった。それにしても能く怪我をしなかったものだ。」
男は刃わたりを手のひらで査べたときに、漸っと女が俵のなかにあることを言ったことを考え、ぎっくりして顔いろまで、変えて女を見つめた。しかし女は平気になっていたが、つかれたらしい蒼白い揉みくちゃにした紙のようになって、うっすりと優しく微笑んでさえいたのである。その落着きを見たとき、男は脇の下のさむくなるのを感じた。