Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
それは手も首もはなればなれにぐなぐなになっていたからである。首を起すと、だらだらと流れるように肩のつけ根から下がった腕と、俯向けになった手首が畳の上に擦れて、げじげじ虫でも這うような厭な掻くような音をたてたからであった。
「わたし今どういう風にねていたんですか、言ってください。」
こう女が言って、うっすりと目をあけたとき、男は気味悪いほど女が何故気絶したかを次第にわかるような気がしたのであった。
「俯向けに――こういう風に。」
男は自分で腰を折って、つッ伏した姿をしてみせたとき、女は嬉しそうな表情になって、
「まあ……。」
と言って男のかおをちらと見て微笑んだ。それがまた男にはわざとされたような気で、きゅうに黙りこんでしまったのである。
男は仕事場にかえって、こつこつと彫りものをはじめた。そうしているうちに、かれはそっと障子をあけて次の室の病人がどういう風に寝ているかということが気になって、四ツ這いになって、つぎの障子戸までしずかに忍びよったのである。
男は障子のすき間から覗いたとき、起き上った女が真青になって、男の忍びよったことを疾くに感知し待ちうけているような声で言った。