Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
」
松岡がぞっとした。
「僕も二階のような気がしたんです、ちょうど僕の部屋の下の方のようでした、誰かが歩いているような……たしか、あそこに造花の道具類が積んであった筈でしたね、あれが崩れたような音がしましたよ、十一時ころに、――」
主婦はすぐ階下の上り口へ立って来たらしかった。
「え、そう、たしか十一時ころですわ、わたくしもその物音をきいたんですよ、造花はほんの紙型だけなんです、くずれるほどは有りません。」
「おかしいな」
松岡はしかし例のもの影を口へ出かかっていたが、なぜか言う気がしなかった。
「変ですね、よほど、しっかりした音なんですもの。」
主婦はそう言いながら二階へ上ろうとしなかった。
「今夜のようなことは、これまでに一度もなかったのですからね、ひょっとすると鼠かも知れない――」
「え、そりゃ、ねずみかも知れませんが、それにしちゃ……」
松岡は寒さで膝のあたりががくがく喰いちがいになるほど、震えて仕方がなかった。主婦は云った。
「おついでに些っと一と廻りしてくださいませんか、わたくし何だか寒気がしてならないんですから。」
「え、しかし厭だな。」
松岡は二階へ下りる気がしなかった。