Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

そこのまわりに、さまざまなお薬になる草があるんで、みんな昔は薬草狩にでかけたものだそうですよ。大池っていうの。」

私はすぐ山の上にある、空ばかり映っていて、すこしも濁ってない青い水底を考えましたが、そこにも、やはり魚なんぞが河や潟のように住んでいるのか知らと思って訊ねました。

「魚はいるの。うしろの川にいるような魚が。」

「いえ、魚は水があまり冷たいんでいないんですて、おられないんですて、そのかわり赤いいもりがおるんだって。いやね、いもりなんて。」

私は即座に蛙のような奇体な、長ぼそいいもりを考えましたが、まだ腹の朱いのを見たことがなかったので、そういう朱いのが実際にいるものか知らと思いました。

「たくさんおるの。」

「なんでも、そのお池のなかに、大きな石があるんですて、その石がちょうど傘のように、表面は広がっていて、五六人も乗れるが、底の方はすぼがっていて、そこにたくさんのいもりがおるんだそうですよ。朱いのがその石のまわりを、誰もこないときにまるで小さい人間の裸のようにちょろちょろ泳いでいるんだそうですよ。人間がちかづくと、ずっと底の方へかくれてしまって、なかなか浮き上ってこないんだそうですよ。