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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

姉の話してくれた山の上の、青い古い池の色まで、佇んでいる私の目にひとりでに浮んで見えてくるような気がしました。何んでも非常に静かで、雑林にとりまかれたような池の水の上に、まるで木の葉のそよぐような小波が立ち、それが池の沖へ向ってちょろちょろ目高のように走ってゆくさまや、そういう静かな日に限って浮んでくるれいの、赤いいもりが水底からすうと水面へ目がけて泳ぎあがってくるさままで、いつも頭の中へ浮んできました。それが何ということもなく不思議で珍らしく実際にありそうもないことのように思われてしかたがなかったのです。

山の色は、うすい藍色のときもあり、鼠色だったり、あるいは一面に牛乳色をした靄の中から紫の頭をあらわしたり、ほんの雲の間にちょいと聳えてみえたりしていました。それを見るごとに、私はちょうど眩惑のするようなすうとした気もちで、その山の奥の方にある池のことを倦きることなく考え込んでいるのでした。

姉は庭へ出るたびに、私の姿を見つけ、私のぼんやり佇んでいるのをうしろから脅かしながら近づきました。

「あの池についておもしろい話があるんだよ、お前知っているの、知っていちゃ詰らないだろうから。