Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
「自分がコワイからさきにあなたは飛び出した。」
「あ、飛び出した。」
「わたしはあとからコワかったんですの。子どもを抱いて出たあとでね。」
「うむ。」
私は黙ってしまった。やはり凝り固まった自分ばかりを考えている私自身に、不愉快をかさねた。
樹の青みが深くなると、発育の遅れた赤児を抱いた夏や妻が、よく庭へでているとき、不思議に赤児は、空の方をよく見詰めていた。そばへ寄って透してみると、空ではない、樹でもない、何か木の葉が枝端れにひらひら舞うている一枚を、珍らしそうに眺めているのだった。
「お前をよく知っているらしいが、どうもおれというものを確かに知っていないらしい。つまりおれが父親だということを、そういう意味をはなれてもお前とくらべると、赤児は全で他人のような顔をしてみているように思われる。」
「そうでしょうかしら、しかし能く知っているらしいんですよ、ほら、お父さんですよ、分って?」
女は、そう言って赤児をさしつけても、私より夏の方へ行こうとした。女は、なるべく私に馴染ませようとしても、駄目だった。しかし何処かに私を見る目と、よその人を見る目とに相違があった。