Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
春、お斎糧を持って出ましたときに、阿闍利さまは日のあたる寺領に山百合の根を掘っていられました。わたくしはまだ雪の残る山々の景色を眺めたりして、
『阿闍利さまはこのような山寺にお住みなされてお寂しいことはございませんか。もし村へお住みになるお心がおありでございましたら、地面もありますこと故、庵を結びなされてはいかがでございます。』
わたくしはこういいまして、心の中で阿闍利さまが村へお下りになればよいと思うていたのです。
『わしはここで沢山です。わしは永い間ここにいるので村や町にいると一緒に思うている。こうして山百合の根を掘りあてるのが楽しみじゃ。』
そう申されて根を掘っては楽しそうでございました。
『けれども冬の間にもしもお風邪を召しても、それがわたくしどもに分らないといたしますと、誰も御介抱いたすものもございません。』
『いや、それなら御心配下さるな。わしは永い間からだを鍛えているので、風邪など引きそうもない……。』
そう笑いながら申され、白い山百合の株根を幾つも掘り出されました。それを三粒ほどわたくしの手に乗せられ、
『これはわしの心じゃ。おもちかえり下され。