Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきもんどう
文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
鈴木 鼓村
Lesen Sie 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会 (たぬきもんどう) von 鈴木 鼓村 (すずきこそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.992 Zeichen · 21 Bildschirme
湖を谿谷の間に現出した、その一年後のことであるから、吾々の眼にふるる処、何れも当時の惨状を想像されない処はなかった、且つその山麓の諸温泉には、例の雪女郎の談だの、同山の一部である猫魔山の古い伝説等は、吾々をして、一層凄い感を起さしたのである。
そして、この檜原の宿とても、土地の人から聞くと、つい昨年までは、その眼の前に見える湖の下にあったものが、当時、上から替地を、元の山宿であった絶項の峠の上に当る、この地に貰って、漸くに人々が立退いたとのことである。
吾々は、次ぎの日に、この新らしき湖を、分隊毎に分れて、渉ったが、この時の絶景といったら、実に筆紙にも尽し難い、仰向いて見れば、四方の山々の樹々が皆錦を飾って、それが今渉っている、真青に澄切ってる、この湖に映じて、如何な風流気のない唐変木も、思わず呀と叫ばずにはおられない、よく談話にきく、瑞西のゲネパ湖の景も、斯くやと思われたのであった、何様、新湖のこととて、未だ生々しいところが、往々にして見える、船頭の指すが儘に眺めると、その当時までは、村の西にあって、幾階段かを上ったという、村の鎮守の八幡の社も、今吾人の眼には、恰もかの厳島の社の廻廊が満つる潮に洗われておるかのように見える、もっと驚いた