Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうりのひけつ
料理の秘訣
北大路 魯山人
Lesen Sie 料理の秘訣 (りょうりのひけつ) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.974 Zeichen · 6 Bildschirme
俗に「野じめ」と言って、沖でひと思いに殺し、うまく保存して来た上等のたいのほうが、死んでこそおれ、はるかに生だいより美味い場合が多い。生きているたいは、河岸に上げられるまでに、船底の槽で苦しめられ、河岸に上げられてからは、人造海水で無理矢理小さな溜めの中に生かされる。そのため、たいの味の中の一番大切な脂肪は逃げて、たいは水ぶくれとなり、見た目を偽って、不味いたいとなり終ってしまう。
しかし、中には例外として、上々吉美味い場合もある。一概に考えるものではないが、まあまあそんなもんだとして、生きているからって、一途にとびつくのは考えものなのである。季節で言うと、たいは、三、四、五月くらいがいい。私は五月頃、朝鮮に旅行して、木浦から馬山まで相当長い距離を、海浜に沿って、明石だい以上に美味いたいを、賞味しつづけて歩いたことがある。また、日頃はたいの質の悪い加賀の山代から金沢辺において、平生とは似ても似つかぬ美味いたいを、四、五月頃、何度も賞味したことがある。これは対馬、隠岐辺から来たものらしい。四、五月頃の明石だい(瀬戸内海靹の浦辺で獲れるもの)の質のよいことは論ずるまでもない。