Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しゃこう

斜坑

夢野 久作

Lesen Sie 斜坑 (しゃこう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.977 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

……何もかもわからなくなってしまった。

中

「福太郎が命拾いをしたちうケ」

「小頭どんがエライ事でしたなあ」

なぞと口々に挨拶をしながら表口から這入って来る者……。

「どうしてマア助かんなさったとかいな」

「土金神さんのお助けじゃろうかなあ」

と見舞を云う男や女の群で、二室しかない福太郎の納屋が一パイになってしまった。

そのまん中に頭を白い布片で巻いた、浴衣一貫の福太郎がボンヤリと坐っていたが、スッカリ気抜けしたような恰好で、何を尋ねられても返事が出来ないままヒョコヒョコと頭を下げているばかりであった。

福太郎は実際のところ、自分がどうして死に損なったのか判らなかった。頭の頂上にチクチク痛んでいる小さな打ち破り疵が、いつ、どこで、どうして出来たのかイクラ考えても思い出し得ないのであった。

集って来た連中の話によると、福太郎は千五百尺の斜坑を、一直線に逆行して来た四台の炭車が折重なって脱線をした上から、巨大な硬炭が落ちかかって作った僅かな隙間に挟み込まれたもので、顔中を血だらけにして、両眼をカッと見開いたまま、硬炭の平面の下に坐っていたそうである。