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Japanische Klassiker mit Furigana

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だんきょうきぶん

断橋奇聞

田中 貢太郎

Lesen Sie 断橋奇聞 (だんきょうきぶん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.144 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

店では老婆が品物を並べていたが、終ってひょいと顔をあげたひょうしに、店頭へ来た世高を見つけた。

「相公、お早いじゃありませんか、何か御用でもできたのですか」

「お婆さんに頼みたいことがあってね」

世高は店の内へ入った。老婆はどんなことを頼まれるだろうと、その頼まれることが気になってたまらないというようにして顔を持ってきた。

「私に、どんなことです、か、ね」

「すこし頼みたいことがあって、ね」

世高は懐から金を出して、それを老婆の袖の中にすばしこく入れた。それは二錠の銀子であった。

「お婆さん、私はまだ妻室がないから、媒人をたのみたいが」

老婆には世高の眼ざしている者が何人であるかということはすぐ判った。しかし、それは旅にいる無名の秀才では望みを満たすことのできないものであった。老婆はとぼけて言った。

「相公の頼みたいというのは、どこの姐姐さんですか」

「それかね、それは、昨日お婆さんが話してくれた、あの、劉さんの姐姐さんだよ」

世高はきまりがわるいのできれぎれに言った。

「そいつは相公、だめですよ、他の姐姐さんなら、なんとか話を纏めますが、劉さんの方ですと、劉の相公はいっこくですから、杭州の城内の武官の中で、だんだん申しこんでおりますが、しょうちしないのです、それに旦那は旅の方でしょう、とてもだめですよ」