Japanische Klassiker mit Furigana
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にいづまのしゅき
新妻の手記
豊島 与志雄
Lesen Sie 新妻の手記 (にいづまのしゅき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.807 Zeichen · 22 Bildschirme
私は母に、翻訳の代償として、と言えばおかしいが、和裁を教えて貰うように願った。
「吉川もそう申しておりましたの。」
「へえー、貞一さんがねえ。」
母は怪訝そうに私を見た。
「貞一さんには関係ないことですが、あなたがそう言うなら、やってごらんなさい。」
そして私は、針仕事を教わることになったが、少しは心得もあったし、興味も持てた。母は教えるとなると、細々と丹念な注意を与えてくれた。然しそのため、私の仕事はたいへん多くなった。
いったい母は、すべてのことに几帳面なのである。室の掃除だって、箒の使い方から、艶布巾のかけ方から、廊下の雑巾がけまで、一定の方式があって、私はそれをすっかり身につけなければならなかった。食後の片付物についても同様である。或る時、午前中薄曇りなのに洗濯をしたところ、午後から翌日中雨が降って、たいへん困ったことがあった。
「お洗濯をする時は、わたしに相談なさいよ。天気のことについては、新聞の天気予報より、わたしの方が確かです。」
それも、毎日のことはどうか分らないが、洗濯に際しては、母の見当はよくあたった。私は相談することにした。
「今日は、お洗濯をして宜しいでしょうか。