Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
「氏郷、長可――すぐその坑道から城中へ入れ。敵は二度三度と、火薬をもって、埋め塞ぐであろうが、もう容易い。時移すな」
「はっ。――参ります」
蒲生氏郷、森長可は、すぐ立って、各※(二の字点、1-2-22)、麾下のいる方へ駈けた。
「やれ、この小城に、存外な長戦させられたが、勝目は見えたぞ」
呟きながら、秀吉は床几から立った。そして幕舎の外へ出ると、彼方此方に、空の屋根と草のしとねを楽しんでいる武者たちの群が見られた。
「貝の者――」
と、呼ぶ。
おうっ、という応え。
あたりの甲冑は音を揃えて一斉に立ちあがっていた。
「吹け。総がかりぞ」
「はっ」
螺手はそこからもう一段高い岩上へ向って駈け上がった。
その影が、くっきりと一つ、夕空に浮く。
螺は鳴った。高く、低く。
これを吹くにもむずかしい法があるという。
吹鳴の合図を果しながら、なおその中に秋霜の陣気がなければならない。進むに、死を超えしめ、退くに、乱れなきよう、粛たるものを感じさせなければならない。で、耳のある将は、螺声を聞いて、その兵の怯勇を知るといわれている。なお心耳のある名将となると、いかに上手が吹いても、敵の詐を看破り、虚実を察し、鋭鈍を量り、決して、その耳を詐くことはできないという。