Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
。しかも、病苦を怺えて使いに来た御身の誠意を買って、何もいわずに和談に応じたのであるともいった。それはあだかも今度の功を、勝豊の熱意一つに帰しているかのような口吻である。勝豊としては、その恩に感じて、涙せずにはいられなかった。
なおまた、秀吉はねんごろにいう。その体できょう立つのは無理である。いくら肩輿の中でも冬風がさわる。数日はここで充分療養してゆくがよい。薬餌や手当も万全を尽させよう。その間に、京都表の者にいいつけ、湖上の船も充分良いのを支度させて置く――。
利家たちの、三使もすすめた。
「おことばにあまえて、そうなさいませ。筑前どの、おたのみ申す」
「よいとも」
そこで秀吉は、これから京都の政治所へ出向くのでと、忙しさを告げて、病間を辞した。
利家が襖を開けた。不破、金森は平伏する。その間を、秀吉はずっと通って来たのであるが、それらの動作と同時に、うしろの方で、誰か手を叩いて笑った者があった。まったく憚りもない天放の一声であった。
ものに動じない秀吉も尠なからず驚いたらしく、振向いて、きょとんとしていた。
うしろに見えるのは病人の勝豊である。襖際には、平伏している金森五郎八と不破彦三と、それに利家がいる。