Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
わけて権をもつ吏務の面にしばしば、耳づらいことを聞く。
民と一者の彼は、自分の配下の吏が、民へ無情だったり、民へ不当な私権を振舞うのを聞いたりすると、そのたびに、どこか痛むような顔をした。
事実、ずきずき胸が痛むのだった。なぜならば、彼は幼にして、またやや長じてからの、貧苦、漂泊、あらゆる下積みの生活のうちに、その権柄や無情な笞が、身の皮に肉に骨髄に、どういう味がするものか、路傍の犬が人の手の小石を見るときのように、さんざん知って来ているからであった。
そのくせ、彼自身が、民の公事を聴き、訴訟の裁決になど当ると、これはひどい。驚くべき、厳罰主義を下す。
姫路ではその暇もなかったが、久しくいた長浜や京都政事所では、吏と共に法務を処した場合もある。
彼の断罪は大ざっぱで、およそ三罰のほかは出ない。三罰とは、
叱る。
叩く。
斬る。
右のうち、罪の性質にもよるが、斬罪を科すこと度々だった。斬るのを何とも思っていないように斬らせた。時には、刑吏の情においてさえ、余り重きに過ぎるやを思って――畏る畏る秀吉に意を糺して再考を求めたところ、秀吉はその吏を叱咤して云った。