Japanische Klassiker mit Furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme
ている、まかり違えば、この国土も国民もいずれかの国に隷属する結果となるだろう、……いいか大さん、根本的に考え直すというのはここなんだ、政権が朝廷に奉還されることは重大に違いないが、それは国民ぜんたいが国家意識を以て責任を分担し合う上に立たなければならない、これが先決問題だ、単なる政権の交替ではこの解決はつかないんだ、そう思わないか」
「どうも現実から離れるような気がするなあ、意味はよくわかるが、例えば、……国民ぜんたいの国家意識ということにしても、それを闡明普及する方法があるかな」
「もちろん容易なことじゃあない、国史創まって以来の大変革なんだから困難なことはわかりきっている、然し、幕府が大政奉還に隠れて兵馬の実権を保とうとするとか、諸藩が王政復古を名として覇権の座に直ろうとするとか、詰り変貌して遺らんとする封建制の打破があるじゃないか、……苦しいよ」秀之進はそこでもういちど眼をつむった、「困難だし苦しい、だがこの根底の上に立たぬ限り、変革は成っても政権の交替に終ってしまう、これは観念論と云われるかも知れないが、観念の根底がたしかでなく、拙速にかたちだけ造ってもなんにもならない、寧ろ害が遺るということを考えなくてはいけないんだ」