Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme

Aozora Bunko

あくる日のことである、朝からやって来て、机にかじりついたきり、午もわざわざ弁当をとって喰べ、浴衣の背筋を汗でひたしながら、まことにめざましい熱心さで筆を動かしつづけている。

「ええカイマン、カイマンが鰐、カアルト、歌留多ときた、カーフル、カーフルは炉端、カーネル……カーネルクウク、カーネルクウクは……菓子と、なるほどね、嬶あ寝るぐうぐうが菓子か」

などとやっている。聞きつけて思わず笑いだした梅八は、窓へさす陽の傾いたのにびっくりした。

「おやもうこんな時刻かしら、藤尾さん、汗を流して来ようじゃございませんか、留守番には雇ったような人がいるんですから」

「仰しゃいましたね」寒笑は慌てて手帳を繰った、「そんなのを、ええと、そんなのを、へへ、ボスメンスだ、ボスメンスというのを知らねえな、ボスメンスの云うことなんざあ人間さまには通じやせんのさ、仰しゃいやし仰しゃいやし」

「しき写しを早速お座敷へかけるのかい」梅八は鼻で笑いながら立った、「それで作者とか易者とかいうんだから人を食ったものさ、こんなところを見たら本を買う者はなんと云うだろう」

「先生お骨折りですねって、新造っ子が寄って来て按摩攻めにするこってしょう」