Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme
でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)話は、禅宗によって捏造されたものだよ」
「なるほど多少穿ちすぎてはいるが、たしかにそういう視かたもあるな」
「湊川合戦のときにも同じような話がある、楠公は合戦の前に楚俊という禅僧を訪い、『生死不識の時如何』と死に臨んでの覚悟をきいた、楚俊は答えて『両頭を裁断し一剣天に倚って寒し』という、正成が重ねて『畢竟するところ如何』と問うや僧は喝と叫んだ、それで正成は大いに悟るところがあり、勇んで湊川へ出陣したという、だが考えてみたまえ、楠公は桜井駅で正行と別れるとき、あきらかに戦死と心をきめている、それは烈々たる遺訓によくあらわれている、いやそれよりも初めて吉野へめされたとき、すでに一族必死の決意をかためているんだ……いいか、それなのにこれぞ最期という合戦に臨んで、改めて生死関頭を問う必要があると思うか、否だ、これも禅家の拵えた虚妄の伝説だよ、楠公はそんな人であってはならないんだ」
こんどは大助はなにも云わず歩いている自分の足の爪尖へじっと眼をおとしていた。その朝はやく小淵沢の宿を出てから、二刻あまりひと休みもせず歩いて来た。