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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme

Aozora Bunko

宿の者に教えられて外へ出たかれは少しいって引き返し、町筋の反対がわの裏へとまわった。……するとそこの草原で蜻蛉を追いまわしていた子供たちのなかから、「おじさん、どこへゆくのさ」と呼びかける者があった。先刻のこまっちゃくれたあの少年だった。

「よう、坊主か」

大助が立ちどまると、子供は人なつこい眼をくりくりさせながら馳せ寄って来た。

「おじさん松八へ泊ったかい」

「ああ泊ったよ」

「あそこはねえ、本当はおいらの家なんだぜ」

「ほうおまえの家か、そいつは知らなかったな、……で坊主、おじさんに泊れと云えとたのんだ人はどうした」

「……おいら知らないよ」

「坊主それはずるいぞ」大助はそう云いかけたが、この子供なかなか実を云うまいと考えたので、「だがよし、それならおまえにたのもう、その人のところへいってな、おじさんは松八へ泊ったが、これからどうしたらいいのか、そう訊いて来て呉れ」

「…………」

「そしてその人はなんという名前か、それだけ訊いてくればいいんだ、それならわけはないだろう」

「……困っちゃったなあ」子供は口をへの字なりにして考えこんだが、すぐ決心したとみえてうなずいた、「いいよ、訊いて来てやらあ」