Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
毎日あの道を歩いたのだ。汽車が遠賀川の鉄橋を越すと、堤にそった白い路が暮れそめていて、私の目に悲しくうつるのであった。白帆が一ツ川上へ登っている、なつかしい景色である。汽車の中では、金鎖や、指輪や、風船、絵本などを売る商人が、長い事しゃべくっていた。父は赤い硝子玉のはいった指輪を私に買ってくれたりした。
(十二月×日)
さいはての駅に下り立ち
雪あかり
さびしき町にあゆみ入りにき
雪が降っている。私はこの啄木の歌を偶っと思い浮べながら、郷愁のようなものを感じていた。便所の窓を明けると、夕方の門燈が薄明るくついていて、むかし信州の山で見たしゃくなげの紅い花のようで、とても美しかった。
「婢やアお嬢ちゃんおんぶしておくれッ!」
奥さんの声がしている。
あああの百合子と云う子供は私には苦手だ。よく泣くし、先生に似ていて、神経が細くて全く火の玉を背負っているような感じである。――せめてこうして便所にはいっている時だけが、私の体のような気がする。
(バナナに鰻、豚カツに蜜柑、思いきりこんなものが食べてみたいなア。)
気持ちが貧しくなってくると、私は妙に落書きをしたくなってくる。