Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
こんな世界をのぞいた事もない私は、妙に落ちつかなかった。小屋を出ると、ラムネとアイスクリーム屋の林立の浅草だ。上州生れのこの重役は、「ほう! お祭のようだんべえ。」とあたりをきょろきょろながめていた。
私は頭が痛いので、途中からかえらしてもらう。荻谷女史は妙に須崎氏と離れたがらなかった。
「二人で待合へでも行くつもりでしょう。」
小僧は須崎氏からもらった、電車の切符を二枚私に裂いてくれた。
「さよなら、又あした。」
家へかえると、八百屋と米屋と炭屋のつけが来ていた。日割でもらっても少しあまるし、来月になったら国へ少し送りましょう。階下でかたくりのねったのをよばれる。床へはいったのが十一時、今夜も隣のマズルカが流れて来る。コウフンして眠れず。
*
(九月×日)
今日もまたあの雲だ。
むくむくと湧き上る雲の流れを私は昼の蚊帳の中から眺めていた。今日こそ十二社に歩いて行こう――そうしてお父さんやお母さんの様子を見てこなくちゃあ……私は隣の信玄袋に凭れている大学生に声を掛けた。
「新宿まで行くんですが、大丈夫でしょうかね。」
「まだ電車も自動車もありませんよ。