Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
こんな仕事師にかかっては口を動かすだけ無駄かも知れない。やがてベニが、鼻を真紅にして帰って来る。
「お姉さん! うどんの玉、沢山買って来たから上げるわ。」
「ええありがとう、パパ早く帰って来たわよ。」
ベニは片目をとじてクスリと笑うと、立ちあがって、壁越しに「パパ!」と呼んだ。
「ハガキが来ていてよ、白いハンカチを持ってって書いてあるわ、香水ぐらいつけて行くといいわよ……」
「あらひどい!」
七号室ではお妾さんが三味線を鳴らしている。河のそばを子供達が、活動芝居をいましめてなんて、日曜学校の変なうたをうたって通った。仕事、二百六十枚出来る。松田さん、どんな病気で入院をしているのかしら、遠くから考えると、涙の出るようないいひとなのだけれども、会うとムッとする松田さんの温情主義、こいつが一番苦手なのだ。その内、何か持って見舞に行こうと思う。夜、龍之介の「戯作三昧」を読んだ。魔術、これはお伽噺のようにセンチメンタルなものだった。印度人と魔術、日本の竹藪と雨の夜か……。霧つよく、風が静かになる、ベニは何か唄っている。
(四月×日)
ベニの帰らない日が続く。
「別に心配してくれるなって、坊やからハガキが来ましたが、もう四日ですからね。