Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

満足に勤めて下すっての報酬であって、また十二三日しかならないじゃありませんか!」

黄色にやけたアケビのバスケットをさげて、私は又二階裏へかえって来た。ミシン嬢は、あれから階下の細君と気持ちが凍って、引っ越しをするつもりでいたらしかったが、帰って見ると、どこか部屋がみつかったらしく、荷物を運び出している処だった。彼女の唯一の財産である、ミシンだけが、不恰好な姿で、荷車の上に乗っかっていた。全てはああ空しである――。

(七月×日)

駅には、山や海への旅行者が白い服装で涼し気だった。下の細君に五円借りた。尾道まで七円くらいであろう。やっと財布をはたいて切符を買うと、座席を取ってまず指を折ってみた。何度目の帰郷だろうと思う。

露草の茎

粗壁に乱れる

万里の城

いまは何かしらうらぶれた感じが深い。昔つくった自分の詩の一章を思い出した。何もかも厭になってしまうけれど、さりとて、自分の世界は道いまだ遠しなのだ。この生ぐさきニヒリストは腹がなおると、じき腹がへるし、いい風景を見ると呆然としてしまうし、良い人間に出くわすと涙を感じるし、困った奴なり。バスケットから、新青年の古いのを出して読んだ。