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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

「職工は正直でがんすけん、皆体で打っつかって行きゃんさアね。」

とうとう門が崩れた。蜂が飛ぶように黒点が散った。光った海の上を、小舟が無数に四散して行っている。

潮鳴の音を聞いたか!

茫漠と拡がった海の上の叫喚を聞いたか!

煤けたランプの灯を女房達に託して

島の職工達は磯の小石を蹴散し

夕焼けた浜辺へ集まった。

遠い潮鳴の音を聞いたか!

何千と群れた人間の声を聞いたか!

ここは内海の静かな造船港だ

貝の蓋を閉じてしまったような

因の島の細い町並に

油で汚れたズボンや菜っぱ服の旗がひるがえっている

骨と骨で打ち破る工場の門の崩れる音

その音はワアン、ワアンと

島いっぱいに吠えていた。

青いペンキ塗りの通用門が勢いよく群れた肩に押されると

敏活なカメレオン達は

職工達の血と油で色どられた清算簿をかかえて

雪夜の狐のようにランチへ飛び乗って行ってしまう

表情の歪んだ固い職工達の顔から

怒りの涙がほとばしって

プチプチ音をたてているではないか

逃げたランチは

投網のように拡がった巡警の船に横切られてしまうと

さてもこの小さな島の群れた職工達と逃げたランチの間は

只一筋の白い水煙に消されてしまう。

歯を噛み額を地にすりつけても