Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
だけど今どき慰めなんて言葉は必要じゃない。死んでは困る私、生きていても困る私、酌婦にでもなんでもなってお母さん達が幸福になるような金がほしいのだ。なまじっかガンジョウな血の多い体が、色んな野心をおこします。ほんとに金がほしいのだ!
富士山――暴風雨
停車場の待合所の白い紙に、いま富士山は大あれだと書いてある。フン! あんなものなんか荒れたってかまいはしない。風呂敷包み一つの私が、上野から信越線に乗ると、朝の窓の風景は、いつの間にか茫々とした秋の景色だった。あたりはすっかり秋になっている。窓を区切ってゆく、玉蜀黍の葉は、骨のようにすがれてしまっていた。人生はすべて秋風万里、信じられないものばかりが濁流のように氾濫している。爪の垢ほどにも価しない私が、いま汽車に乗って、当もなくうらぶれた旅をしている。私は妙に旅愁を感じると瞼が熱くふくらがって来た。便所臭い三等車の隅ッこに、銀杏返しの鬢をくっつけるようにして、私はぼんやりと、山へはいって行く汽車にゆられていた。
古里の厩は遠く去った
花がみんなひらいた月夜
港まで走りつづけた私であった
朧な月の光りと赤い放浪記よ