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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

て来た。

「どうしましょうね、今さらあのカフエーに逆もどりも出来ないし、少し廻って来ましょうか、飯田さんも私に会うのはバツが悪いでしょうから……」

「ええ、ではそうしてね。」

私は運転手の吉さんに行李をかついでもらうと、酒屋の裏口の薬局みたいな上りばなに行李を転がしてもらって、今度は軽々と、時ちゃんと二人で自動車に乗った。

「吉さん! 上野へ連れて行っておくれよ。」

時ちゃんはぶざまな行李がなくなったので、陽気にはしゃぎながら私の両手を振った。

「大丈夫かしら、たい子さんって人、貴女の親友にしちゃあ、随分冷たい人ね、泊めてくれるかしら……」

「大丈夫よ、あの人はあんな人だから、気にかけないでもいいのよ、大船に乗ったつもりでいらっしゃい。」

二人はお互に淋しさを噛み殺していた。

「何だか心細くなって来たわね。」

時ちゃんは淋しそうに涙ぐんでいる。

「もうこれ位でいいだろう、俺達も仕事しなくちゃいけないから。」

十時頃だった、星が澄んで光っている。十三屋の櫛屋のところで自動車を止めてもらうと、時ちゃんと私は、小さい財布を出して自動車代を出した。

「街中乗っけてもらったんだから、いくらかあげなきゃあ悪いわ。