Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
次から次から悪運のつながりではありませんかお母さん!
腰巻も買いたし。
(五月×日)
家のかしまはあまり汚ない家なので誰もまだ借りに来ない。お母さんは八百屋が貸してくれたと云って大きなキャベツを買って来た。キャベツを見るとフクフクと湯気の立つ豚カツでもかぶりつきたいと思う。がらんとした部屋の中で、寝ころんで天井を見ていると、鼠のように、小さくなって、色んなものを食い破って歩いたらユカイだろうと思った。夜、風呂屋で母が聞いて来たと云って、派出婦にでもなったらどんなものかと相談していた。それもいいかも知れないけれど、根が野性の私である。金持ちの家風にペコペコ頭をさげる事は、腹を切るより切ない事だ。母の侘し気な顔を見ていたら、涙がむしょうにあふれてきた。
腹がへっても、ひもじゅうないとかぶりを振っている時ではないのだ。明日から、今から飢えて行く私達なのである。あああの十四円は九州へとどいたかしら。東京が厭になった。早くお父さんが金持ちになってくれるといい。九州もいいな、四国もいいな。夜更け、母が鉛筆をなめなめお父さんにたよりを書いているのを見て、誰かこんな体でも買ってくれるような人はないかと思ったりした。