Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
この世に平和があるものか
岩おこしのべとべとの感触だ
人生とは何でしょう……
拷問のつづきなのよ
人間はいじめられどおし。
いつかはこの島々も消えてゆくなり
牛と鶏だけが生きのこって
この二つの動物がまじりあう
羽根のはえた牛
とさかをもった牛
角のはえた鶏
尻尾のある鶏。
永遠なんぞと云うものがあるものか
永遠は耳のそばを吹く風なり
宵あかり 只島々は浮いている
乳母車のようにゆれている
考古学者もほろびてしまう……。
律法なくば罪は死にたるものなり。ああアブラハムもダビデも如何にも遠い神である。小説とはどんな形で書くのかわからない。只、ひたすら空想するばかりだけでもないのだろう。罪を書く。描く。善は馬鹿々々しいと鼻をかむ。悪徳だけに心をもやす……。月日がたてば忘れられ消えてゆく罪。じっと眼をすえていると、何のまとまりもなく頭が痛くなって来る。私の肉体は、だんだん焼かれる魚のようにこうふんして来る。誰かと夫婦にならなければ身のおさまりがつかなくなってしまう。
下宿屋は男の巣でありながら、まことに落書のエデンの園の如く、森々とこの深夜を航海している。
小説を書きたいと思いながら、何もかも邪魔っけでどうにもならない。