Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
また話があると云う。ヨシツネさんは突然「これはプラトニックラブだよ」と云った。私はおかしくなって、くすくす笑いこける。
「プラトニックラブってなによ?」
「惚れてると云うことだろう……」
私は何と云うこともなく、何も、野村さんでなくてもいいと思った。ヨシツネさんと一緒になってもいいような気がした。寒いのでミルクホールにはいる。
大きなコップに牛乳を波々とついで貰う。ヨシツネさんは紅茶がいいと云う。今日は私が御馳走する。ケシの実のついたアンパンを取って食べる。紫色のあんこが柔らかくて馬鹿にうまい。金二十銭也を払う。
ヨシツネさんは、月々五六十円位にはなるのだそうだ。子供が出来てもやってゆけない事はないと云う。私は、お芳さんの汚ない子供を思い出してぞっとしてしまう。
「私は、お嫁さんになる気はないのよ。勉強したいのよ。ヨシツネさんはもっと若い、十七八のお嫁さんがいいでしょう……」
ヨシツネさんは黙っていた。しばらくして、「何の勉強だ」と訊く。
何の勉強だと云われて私は困る。
「私は女学校の先生になりたいのよ」
ヨシツネさんは妙な顔をしていた。私も妙な気がした。