Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
「無理して飲む奴はないよ」
「うん、プラトニックラブだから飲んだのよ。あんた、そう云ったじゃないの……」
ヨシツネさんが急にかがみこんで、私の背中をいつまでもなでてくれた。
*
(十二月×日)
火を燃やしたくなったので、からになった炭俵や、枯葉をあつめてどんどを燃やす。私はこうした条件のなかで生きる元気がない。少しもない。大切なものを探し出して燃やしてやりたくなる。部屋のなかへはいって、大切なものを探してみる。野村さんの詩の原稿を三枚ばかり持ち出して火の上にあぶってみる。焼けてしまえばこの詩は灰になるのだと思うと、憎さも憎しだけれども、何となく気おくれして、いけない事だと思い、またもとのところへしまう。
私は何も出来ない。勇気のない女になりさがってしまっている。今朝、私たちは命がけであらそった。そして、男はしたいだけの事をして街へ行ってしまった。あとかたづけをするのは私なのだ。障子は破れ、カーテンは引きちぎれ、皿も茶碗も満足なのはない。貧乏をすると云う事が、こんなに私達の心身を食い荒してしまうのだ。残酷なほどむき出しになるのだ。私は男をこんなに憎いと思ったことはない。