Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
虎のようにのそのそと這いまわりたいような烈しい気持ちになる。
部屋の中を綺麗にかたづけて寝床を敷く。ここにも敷布のない寝床。寝巻きがないので裸で私はおやすみ。水へ飛びこむような冷たさ。こっぽりと着物を蒲団の上にかける。着物の匂いがする。時々、枕もとで鯉がはねる。夜更けの街道をトラックが地響きをたてて坂を降りて行く。
冒涜はおつつしみ下され
私には愚痴や不平もないのだ
ああ百方手をつくしても
このとおりのていたらく
神様も笑うておいでじゃ
折も折なれば
私はまた巡礼に出まする
時は満てり神の国は近づけり
汝ら悔い改めて福音を信ぜよ
ああ女猿飛佐助のいでたちにて
空を飛び火口を渡り
血しぶきをあげて私は闘う
福音は雷の音のようなものでしょうか
一寸おたずね申し上げまする
どうにも空腹にたえられないので、私はまた冷い着物に手を通して、七輪に火を熾す。湯をわかして、竹の皮についたひとなめの味噌を湯にといて飲む。シナそばが食べたくて仕方がない。十銭の金もないと云う事は奈落の底につきおちたも同じことだ。トントン葺きの屋根の上を、小石のようなものがぱらぱらと降っている。ここは丘の上の一軒家。