Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
鯖のくさったのを食べてげろを吐いたようなもンだ……。おっかさんは私に抱きついてすやすやおやすみだ。時々、雪風が硝子戸に叩きつけている。シナそば屋のチャルメラの音色がかすかにしている。ものを書いてみようなぞとは不思議せんばん。お前のようなうすのろに何が出来るのだ。
明日は場末のカフエーにでも住み込んで、まずたらふくおまんまを食べなければならぬ。まず食べる事。それから、いくばくかの金をつくる事。拷問! 拷問! 私にもそれ位の生きる権利はあろう……。
みんなしたり顔で生きている。
お爺さんが起きて、煙管で煙草を吸いはじめた。寒くておちおち眠っていられないとこぼしている。問わずがたりのお爺さんの話。二日ほど前までは四谷の喜よしと云う寄席の下足番をしていたのだそうだ。心がけが悪くて子供は一人もない由なり。時には養老院にはいる事も考えるけれど、何と云ってもしゃばの愉しみはこたえられぬ。一日や二日は食わいでも、しゃばの苦労は愉しみだと爺さんが面白い事を云う。もう六十五歳だそうだ。私の半生はあんけんさつ続きで、芽の出ないずくめだと笑っていた。あんけんさつとは何なのか判らん。