Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
と私は大きい声でたずねてみた。
「ええそうです。」
「すみませんが田端まで帰るんですけれど、貴方のお出でになるところまで道連れになって戴けませんでしょうか?」
今は一生懸命である。私は尾を振る犬のように走って行くと、その職人体の男にすがってみた。
「私も使いがおそくなったんですが、もしよかったら自転車にお乗んなさい。」
もう何でもいい私はポックリの下駄を片手に、裾をはし折ってその人の自転車の後に乗せてもらった。しっかりとハッピのひとの肩に手を掛けて、この奇妙な深夜の自転車乗りの女は、不図自分がおかしくなって涙をこぼしている。無事に帰れますようにと私は何かに祈らずにはいられなかった。
夜目にも白く染物とかいてあるハッピの字を眺めて、吻と安心すると、私はもう元気になって、自然に笑い出したくなっている。根津の町でその職人さんに別れると、又私は飄々と歌を唱いながら路を急いだ。品物のように冷たい男のそばへ……。
(四月×日)
国から汐の香の高い蒲団を送って来た。お陽様に照らされている縁側の上に、送って来た蒲団を干していると、何故だか父様よ母様よと口に出して唱いたくなってくる。