Japanische Klassiker mit Furigana
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とりをとるやなぎ
新編 風の又三郎
Lesen Sie 新編 風の又三郎 (とりをとるやなぎ) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.750 Zeichen · 49 Bildschirme
豚はまるで潰れそうになり、それでもようよう畜舎の外まで出たら、そこに大きな木の鉢に湯が入ったのが置いてあった。
「さあ、この中にお入りなさい。」助手が又一つパチッとやる。豚はもうやっとのことで、ころげ込むようにしてその高い縁を越えて、鉢の中へ入ったのだ。
小使が大きなブラッシをかけて、豚のからだをきれいに洗う。そのブラッシをチラッと見て、豚は馬鹿のように叫んだ。というわけはそのブラッシが、やっぱり豚の毛でできた。豚がわめいているうちにからだがすっかり白くなる。
「さあ参りましょう。」助手が又、一つピシッと豚をやる。
豚は仕方なく外に出る。寒さがぞくぞくからだに浸みる。豚はとうとうくしゃみをする。
「風邪を引きますぜ、こいつは。」小使が眼を大きくして云った。
「いいだろうさ。腐りがたくて。」助手が苦笑して云った。
豚が又畜舎へ入ったら、敷藁がきれいに代えてあった。寒さはからだを刺すようだ。それに今朝からまだ何も食べないので、胃ももうからになったらしく、あらしのようにゴウゴウ鳴った。
豚はもう眼もあけず頭がしんしん鳴り出した。ヨークシャイヤの一生の間のいろいろな恐ろしい記憶が、まるきり廻り燈籠のように、明るくなったり暗くなったり、頭の中を過ぎて行く。