Japanische Klassiker mit Furigana
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しんろう
新郎
Lesen Sie 新郎 (しんろう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.625 Zeichen · 14 Bildschirme
僕は、たくさん食べて来たのだ。」
「お顔にかかわりますよ。」家の者は、意外な事を小声で言った。「私はそんなに食べたくもないのですから、女中さんに頭をさげたりなど、これからは、なさらないで下さい。」
そう言われて私は、ちょっと具合がわるかったけれど、でも、安心の思いのほうが大きかった。たいへん安心したのである。大丈夫だ。もう家の食べものなど、全く心配しない事にしよう。「牛の肉だぞ」なんて、卑猥じゃないか。食べものに限らず、家の者の将来に就いても、全く安心していよう。これは、子供と一緒にかならず丈夫に育つ。ありがたいと思った。
家の者達に就いては、いまは少しも心配していないので、毎日、私は気軽である。青空を眺めて楽しみ、煙草を吸い、それから努めて世の中の人たちにも優しくしている。
三鷹の私の家には、大学生がたくさん遊びに来る。頭のいいのもあれば、頭のわるいのもある。けれども一様に正義派である。いまだかつて私に、金を貸せ、などと云った学生は一人も無い。かえって私に、金を貸そうとする素振りさえ見せる学生もある。一つの打算も無く、ただ私と談じ合いたいばかりに、遊びに来るのだ。