Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
あたしは前から真白な鉢巻をほしいと思っていたのよ。旅人をおどかすのに、白鉢巻でもしてないと気勢があがらなくて工合いがわるいわ。」
「そんな馬鹿な事を言わないで、ね、後生だから。」
「いや! 姉さん、しつっこいわよ。」
へんに気まずくなってしまった。けれども姉はそんなに手きびしく断られるといよいよ総身が燃え立つように欲しくなり、妹に較べておとなしいとはいうものの、普段おとなしい子こそ思いつめた時にかえって残酷のおそろしい罪を犯す。殊にも山賊の父から兇悪の血を受け、いまは父の真似して女だてらに旅人をおどしてその日その日を送り迎えしている娘だ。胸がもやもやとなり、はや、人が変り、うわべはおだやかに笑いながら、
「ごめんね、もう要らないわよ。」と言ってあたりを見廻し、この妹を殺して絹を奪おう、この腰の刀で旅人を傷つけた事は一度ならずある、ついでに妹を斬って捨てても、罪は同じだ、あたしは何としても、晴衣を一枚つくるのだ、こんどに限らず、帯でも櫛でもせっかくの獲物をこんな本当の男みたいな妹と二人でわけるのは馬鹿らしい、むだな事だ、にくい邪魔、突き刺して絹を取り上げ、家へ帰ってお母さんに、きょうは手剛い旅人に逢い、可哀想に妹は殺されましたと申し上げれば、それですむ事、そうだ、少しも早くと妹の油断を見すまし、刀の柄に手を掛け