Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
けれども、一旦、濁世を捨てた法師が、またのこのこ濁世の親御の家へ帰って泣いておわびをするなどは古今に例の無い事のようにも思われますし、これでも、私にはまだ少し恥を知る気持も意地もあり、また、ここを立ちのくにしても、里人への諸支払いがだいぶたまって居りますし、いま借りて使っている夜具や炊事道具を返すに当ってもまた金銭のややこしい問題が起るのではなかろうかと思えば、下山の決心もにぶります。と言えば、少していさいもいいけれども、実はもう一つ、とても私がいますぐ下山できないつらい理由があるのです。京の私の家のことし八十八歳になるばばさまが、大事のへそくりの百両を、二十年ほど前に小さい茶壺にいれて固く蓋をして、庭の植込みの奥深く、三本ならびの杉の木の下に昔から屋敷に伝っているささやかなお稲荷のお堂があって、そのお堂の縁の下にお盆くらいの大きさの平たい石があるのですが、その石の下にです、れいの茶壺を埋めて置いて、朝から日の暮れるまでに三度、夜寝る前に一度、日に都合四度ずつ竹の杖をついて庭を見廻る振りをして、人知れず植込みの奥に眼を光らせてはいって行き、その隠し場所の安泰をたしかめ、私がまだ五つ六つの時分は、ばばさまにたいへん可愛がられてもいましたし、また私をほんの子供と思って気をゆるしていたのでございましょう、或る