Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
おれも親爺と一緒に来ればよかった。親から離れて旅に出ると、どんなに皆に気がねをしなけりゃならぬものか、お前にはわかるまい。おれは国元を出発してこのかた、肩身のせまい思いばかりしている。人間って薄情なものだ。親の眼のとどかないところでは、どんなにでもその子を邪険に扱うんだからな。いや、お前たちの事を言っているんじゃない。お前たち親子は立派なものさ。立派すぎて、おつりが来らあ。このたびの蝦夷見物がすんだなら、おれはお前たち親子の事を逐一、国元の殿様と親爺にお知らせするつもりだ。おれには、なんでもわかっているんだ。お前の親爺は、ずいぶんお前を可愛がっているらしいじゃないか。隠さなくたっていい。ゆうべこの宿に着いた時、お前の親爺は、これ勝太郎、足の豆には焼酎でも吹いて置け、と言ったのをおれは聞いたぞ。おれには、あんな事は言わない。皆の見ている前では、いやにおれに親切にしてみせるが、へン、おれにはちゃんとわかっているんだ。実の親子の情は、さすがに争われないものだ。焼酎でも吹いて置け、か。あとでその残りの焼酎を、親子二人で仲良く飲み合ったろう、どうだ。おれには一滴も酒を飲ませないばかりか、狐拳さえやめさせようとしやがるんだから面白くないよ。