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Japanische Klassiker mit Furigana

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まさことまき

方子と末起

小栗 虫太郎

Lesen Sie 方子と末起 (まさことまき) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.517 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

その鍵は、母が殺されたとき、密室の証明となったもので、それ以来この部屋では忘れられてしまったものである。してみると、いま末起と二人で寝るこの部屋の扉を、お祖母さまは、鎖じよというのだろうか。ことに、さっきは義父とのあいだにああした情景があり、直後なだけに、末起は慄っとするようなものを感じた。

末起は、ひろい空のしたで、まったくの孤独だった。いとしい、お姉さまの方子は療養所に奪われ、疑惑と、暗雲のなかでやっと息ついていた。

ところが、それから一年後のことであった。末起の家は、新邸の進行中だったけれど、ふと、義父が下手人だということに疑いを感ずるようになった。それは、あさ起きて鏡に向ったとき、小鬢の毛が幅にして四、五分ほど切られているのに気が付いた。

(誰だろう……)

と思うと、脊筋のへんが、慄っと冷たくなるような気がした。二つの……魂を凍らすようなものが末起にぞくぞくと這いかかっているのだ。

(あの時もそうだ。ちょうどお母さまが殺される一月ほどまえ、やはり、髪の毛を寝ている間に切られたことがあった。そのときは別に気にもしなかったけど、考えると、その一月後にはお母さまが殺されている。