Japanische Klassiker mit Furigana
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たびへでて
旅へ出て
宮本 百合子
Lesen Sie 旅へ出て (たびへでて) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.067 Zeichen · 13 Bildschirme
ふざける様にしゃべって下司な笑い様をするのと金ぐさりを巻きつけたのとが神官としての尊さをすっかり落してしまって居た。そして又いかにも小村に荷が勝った様な大神官の神官にふさわしくなかった。
中学時代からの友達の事や先輩の事をくどくど思いきった声で話して今東京で大きな学校の監督をして居る人の事を話したあとで、
「何! 私だって成ろうと思えばその位にはなれますのさ。
しかしまあ自分の主義によってこうして居るんですが――
神主じゃあんまり下さいませんな。」
斯う云って居る目には生活難を感じながら平身低頭して朝夕神に仕えて居なければならない貧しい神官のあわれさが、しみじみと浮び見えて居た。
世の中をあきらめながらあきらめきれない苦しさがあった。
けれ共M氏はかるく微笑みながら盛な男達の話に耳をかたむけて居た。
その様子はいかにもやさしかった。
そして又いかにも澄んで居た。
檜の林にかこまれた大神官の淋しい香りの満ち満ちた神殿に白衣の身を伏せて神を拝すのはこの人でなければならない様にさえ私には思えた。
私は、五十前の神官に祈られる気はしないし又大きらいだと云う。