Japanische Klassiker mit Furigana
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たびへでて
旅へ出て
宮本 百合子
Lesen Sie 旅へ出て (たびへでて) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.067 Zeichen · 13 Bildschirme
あぶ蜂とんぼにした子供の顔や半はげの頭を思い出したりする。
けれ共桑の枯木が繩で結わかれて風に吹かれ吹かれして立って居る様子の方がよっぽど淋しいやるせない気持がする。
いかにもわびしそうに体の細いためにもその気持が深くなるのかもしれない。
世の中の暗い裏面を思わされる。
野飼いの駒
那須野が原のほおけた雑木林の中をしずしずと歩む野飼の駒を見た。
黒い毛並みをしとしと小雨がうるおして背は冷たく輝いて大きな眼には力強さと自由が満ちて居る。いかにものんきらしい若やいだ様子だ。
枯草の上を一足一足ときっぱり歩く足はスッキリとしまって育ったひづめの音がおだやかに響く。
小鳥さえも居ない木から木へと見すかしては友達をさがす様な様子をして、甘ったれる様に鼻をならしたり小雨のしずくをはらう様に身ぶるいをしたりする。
楽しそうで又悲しそうに初めて野放しの馬を見た私の心は思う。
まるで百年の昔にもどった様に平和な原始的な気分がみなぎって居る。
これからは青草も多く心のままに得られるだろうけれ共雪ばかり明け暮れ降りしきる北の国に定められた臥床もなくて居る時はさぞわびしいだろう。