Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
」
と久慈は振り返り千鶴子を見て笑った。
「でも、こんないい夜は、頭の痛くなるのいやよ。」
「しかし、こんなに毎日遊んでばかりいると、議論でもしなくちゃ仕事をしたという気がしなくなるんだからね。」
久慈のそう云うのに矢代は、
「僕らはここにいると、誰も生活がないんだからね。血の出るような生活といえば、議論をする以外に求めようがないんだから、まあ千鶴子さんも議論でも聞いて、生活しているんだと思いなさいよ。」
「いやよ、もう議論は。あたし、そしたら、フロウレンスかチロルへ行っちまってよ。」
「そうだチロルへ行こうか。」
と久慈は急に大きな声を出した。「さっき聞いていたら、僕らの傍にいた日本人の連中がギリシアへ行く相談をしていたようだから、僕らもどっかへ行こうじゃないか。チロルへ行ってヨーロッパ第一の景色を見ながら議論をするのも、また格別だぞ。」
「石川五右衛門ね。」
千鶴子の笑っているうちに甘酸い花の匂いの満ちたフォッシュ通りを突き切り、一同はブロウニュの森の口まで来かかった。
「僕の友人は日本を出るとき面白いことを云いましたよ。君がパリへ行ったら何も勉強せずに、ただ遊べと云ったが、遊ぶというのも全く骨の折れるもんですね。