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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

自分をね、日本をね。」

久慈は笑いが口中へめり込んでいくような苦苦しい微笑を浮べると、急に嘲るように低声になった。

「ヒューマニズムに東洋と西洋の別があるか。それがなければこそ、僕らはその理想を信仰するんじゃないか。」

「自分が、知識階級だという虚栄心で、東洋と西洋とのある区別さえ無いと思う習練を永久に繰り返すのかね。つまり、それは君の習練だよ。」

「その習練が分析力の結果なら、それは世界を守る道というものだろ。誰も動かすことの出来ぬ道というものは、たった一つ厳然としてあるのだ。それを探すのが分析力だ、いったい、分析力に西洋も東洋もあるものか。同じ共通のもので負けてれば、負けてる方が弱いのだ。それだけは仕様があるまい。」

と久慈はとどめを刺すように片肩を引き降ろして矢代を見据えて云った。

「負けたとこばかりより君に見えぬのだよ。勝ってるところまで負けにするのが分析力だ。見て見ろ、ここのこのざまは、これで全身が生きているといえるのか。」

久慈と矢代のつづけている論争の傍で、東野はもう二人の争いなどうるさそうに、片眼の男が女を口説く毛物のような爛爛として無気味な表情を、眼を放さず見詰めていた。