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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

いつ建ったのかしら。」

真紀子は階段を降りたときあたりを見廻して訊ねた。

「十七世紀。」と矢代は答えると、廻遊している人の流れの中を緊迫した思いで千鶴子の方へ歩いた。千鶴子はまだ彼に気附かぬらしい様子だったが、ときどきピエールと話しながらも二階の歩廊の方を眺めたりしていた。額の広いピエールは身についたタキシイドの上であまり笑顔を見せず、よく光る眼でゆっくりと歩いて来た。肩幅のある中背のがっちりとした姿で、顎を引きつけて人を見る様子はどことなく写真の若いナポレオンの姿に似て見えた。矢代は組み合せた型の廻ってゆくようなこの劇場に少し反感を覚え、また照れ気味にもなって来たが、しかし、もうどちらも出る所へは出てしまっている、今はそのひとときだと思い勇気も出るのだった。

「来たわ。一寸。」

と真紀子は矢代の腕を引いた。そのとき千鶴子も矢代たちを見つけたらしく軽く笑いながら黙礼した。矢代は憂鬱な気持ちだった。その間も、縮まっていく二人の視線の間を人の流れがちらちらと断ち切ったが、また顕れる千鶴子の顔は見る度びに笑顔を変えた。擦れ違うとき、

「これまアお儀式みたいなものよ。