Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
夜景が次ぎ次ぎに泛かんで消えぬ楽しみを思うにつけ、あれほど仲の良かった千鶴子とそのまま立ち切れてしまった旅の心の切れ切れな思いを、久慈は継ぎ合せてみたが、もう過去は再び戻りそうにも感じられなかった。
「どうも、おかしいぞ今夜は。酔ったのかな。」
久慈は一寸立ち上ってみた。足がふらふらして赤い絨氈が廻って見える。
「やられた。」と久慈は云ってまた坐ると高に、
「高さん、中国の人は日本人が酔うと馬鹿にするそうですが、日本人は反対ですよ。僕らはすぐ人を信用してしまう習癖があるから、酔うのも早いのです。つまり恩恵を感じると忘恩の徒にはなれないのだな。」
「君は合理主義者すぎるんだよ。」
と矢代は云って久慈のコップにまたウィスキーを注いだ。
「それやそうだ。酒を飲んで酔わないのは、不合理だ。高さん、あなたはフランスへ合理主義を習いに来たんでしょう。合理主義なら僕の味方だ。矢代はこ奴敵だからな。愛国心を履き違えているんだ。」
「馬鹿を云え。愛国心に合理の愛国心だの非合理の愛国心だのって区別あってたまるか。そんな区別をするのが、植民地の愛国心というものだ。」
「いや、合理の愛国心というものはある。