Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
どうも、僕は今日はそう感じた。」
「それや、そうだとあたしも思いましたわ。今日街を歩いていたとき、あたしの前を西洋人の親子が一緒に歩いていたんですのよ。そしたら、お父さんの方が子供にね、お前も少しぴんと胸を張って歩け、こうしてっと云って、自分が反り返って歩いてみせるんですの。そしたら、十六七の子供の方も猫背をやめてぴんと反って歩くんですの。」
「ははア、じゃ、やっぱりヨーロッパの人間は、それだけはしょっちゅう考えているんですね。羞しがったり照れたりしちゃ、もうお終いのところなんだ。」
矢代は日本人のいろいろな美徳について考えた。洋服を着ても謙遜する風姿を見せない限りは出世の望みのなくなる教育法が、次第に洋服姿の猫背を多く造っていく日本の社会について。――
しかし、矢代はこのとき、どうして自分がこれほども日本のことを考えつづけるようになったのか、全くそれが不思議であった。何も今さら考えついたことではないにも拘らず、一つ一つ浮き上って来る考えが新たに息を吹き返して胸をゆり動かして来るのだった。マルセーユが見え出したときから、絶えず考えているのは、日本のことばかりと云っても良かった。